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グルジア: ロシアのクラスター爆弾で民間人死者

107ヵ国が禁止する兵器の使用を止めよ

(トビリシ、2008年8月15日) ロシア軍機が複数のクラスター爆弾をグルジアの住宅地域に投下、これにより一般市民少なくとも11名が死亡、数十人が負傷したという証拠をヒューマン・ライツ・ウォッチ調査員が入手したと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ロシアに対して、クラスター爆弾の使用を直ちに止めるよう求めた。クラスター爆弾は、一般市民を犠牲にする危険性が極めて高いことから100ヵ国以上がその使用を禁止することに合意している。

" クラスター爆弾は、大多数の国が違法化に合意した無差別殺戮兵器。ロシアがこのクラスター爆弾を使用したことは、一般市民の命を奪うばかりでなく、地雷が引き起こした悲劇と同様の世界的な人道的悲劇を回避しようとする国際的努力を侮辱するものだ。 "
マーク・ガルラスコ、ヒューマン・ライツ・ウォッチの上級軍事アナリスト
  

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「クラスター爆弾は、大多数の国が違法化に合意した無差別殺戮兵器。ロシアがこのクラスター爆弾を使用したことは、一般市民の命を奪うばかりでなく、地雷が引き起こした悲劇と同様の世界的な人道的悲劇を回避しようとする国際的努力を侮辱するものだ。」とヒューマン・ライツ・ウォッチの上級軍事アナリスト、マーク・ガルラスコは語った。  
 
「2008年8月12日、ロシア軍機は30個のPTAB 2.5M 子爆弾を内蔵した複数のRBK-250クラスター爆弾をグルジアのカレリ地区のルイシに投下、この攻撃で民間人3名が死亡、5名が負傷した。同日、クラスター爆弾がゴリの町の中心部を直撃、民間人少なくとも8名が死亡、数十名が負傷した。」とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。犠牲者にはオランダ人ジャーナリストStan Storimans氏も含まれている。イスラエル人ジャーナリストZadok Yehezkeli氏も重傷を負いトビリシで手術を受け、その後治療のためにイスラエルに搬送された。また、この爆撃の破片がロイター通信の防弾車を貫通した。  
 
今回のクラスター爆弾攻撃は、2006年にレバノンでのイスラエルの対ヒズボラ戦争以来、初めて確認されたクラスター爆弾の使用となる。クラスター爆弾は、数十あるいは数百の子爆弾を内蔵し、二つの意味で許し難い人道的危害を引き起こす。まず、クラスター爆弾は広範囲にばらまかれるため、一般市民を無差別に殺傷してしまう。そして、多くの子爆弾は爆発せずに事実上の地雷となり、投下後、何ヵ月あるいは数年間も、一般市民が犠牲になり続ける。2008年5月、クラスター爆弾の全面禁止に107カ国が合意したが、ロシアはこのプロセスに参加しなかった。  
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査員らは、グルジアにおいて、多数の犠牲者、医師、兵員から聞き取り調査を行った。また、ゴリにおける8月12日の攻撃で出来たクレーターの写真及びビデオ映像も調査。またヒューマン・ライツ・ウォッチは、ゴリに投下されたRBK-250爆弾の子爆弾運搬部位と先端部の写真も確認した。ゴリのビデオには、空襲の間、同時に起きた24回以上の爆発(クラスター爆弾の特徴)が映し出されている。ゴリで負傷した二人の市民が空襲時の同時多数爆発を証言した。ゴリのクレーターもクラスター爆弾攻撃の特徴と一致している。  
 
トビリシの2つの主要病院の複数の医師が、非常に多数の傷を負った民間人たちがゴリにいると証言。その傷の状態からみて、クラスター爆弾の被害にあったと考えて矛盾がないと述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査員らは、犠牲者の一人の頭部から検出された子爆弾の破片を確認した。  
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ゴリの空襲で負傷し入院している負傷者数人から聞き取り調査を行った。ケチ・ジャバクシビリ(25歳)は出血性ショックの他、肝臓、胃、腸などに重傷を負った。他2名は、足と腹部に破片による複数の傷を負っていた。これらの傷はすべて、クラスター爆弾の子爆弾による傷の特徴と一致している。  
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチにファイルされている証拠写真には、僅かな接触で爆発するかもしれないことを知らないで、ルイシのある一般市民が、PTAB子爆弾を持っている様子が写されている。これはグルジアの住民に、不発子爆弾の危険性を早急に知らせる必要性が差し迫っていることを示している。  
 
ヒューマン・ライツ・ウォッチはロシアに対し、クラスター爆弾攻撃の正確な空襲データを提供するよう求めた。投下時には爆発しなかったもののいつ爆発しても不思議はない極めて危険な状態にあるクラスター子爆弾は、必然的に長期にわたる被害をもたらす。これを避けるためには不発弾を除去する必要があるが、そのためには正確な空襲データが不可欠なのである。  
 
同時にヒューマン・ライツ・ウォッチは、RBK-500クラスター爆弾を所有していると言われるグルジアに対し、クラスター爆弾の使用を禁止する国際的な動きに加わるよう求めるとともに、こうしたクラスター爆弾を今回の紛争で使用しない事を約束するよう求めた。  
 
ロシアは、クラスター爆弾の使用を禁止する新しい国際条約を実現するため2007年2月に開始されたオスロ・プロセスには参加していない。2008年5月、107カ国が、クラスター爆弾の使用、製造、取引、貯蔵を全面的に禁止するクラスター爆弾国際条約を採択した。2008年12月、同条約はオスロで署名のために開放される。  
 
「ロシアは、グルジアの都市にクラスター爆弾投下するなど絶対すべきでなかった。今となっては、これ以上の死者が出るのを防ぐため、ロシアは、クラスター爆弾の除去に協力すべきだ。」とガルラスコは語った。  

 

 
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