(ニューヨーク)世界中の著名な中国専門家や作家、人権活動家ら100人以上が、受刑中の中国の反体制活動家、劉暁波氏の即時無条件釈放を求める全国人民代表大会宛て書簡を本日発表した。
恐れることなく中国政府への批判を続けてきた劉氏は、政治に関する論考を6本発表したこと、および、中国における法の支配と人権尊重を求める「08憲章」を起草したことにより、2009年12月、懲役11年の刑に処せられた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア・アドボカシー・ディレクターであるソフィー・リチャードソンは、「政府批判を理由に劉暁波氏を懲役刑に処するのは、世界における中国の評判と名声を汚すものである」と述べる。「中国政府は、劉氏を罰して見せしめにするのではなく、『08憲章』で示された問題に取り組むべきだ。」
中国の立法府である全国人民代表大会(全人代)は、年次総会を開催中であり、3,000人以上の代表が出席している。全人代には「憲法の執行を監督する」権限が法律上与えられているが、その憲法は、中国国民に「言論の自由、報道の自由、集会の自由、結社の自由、行進の自由およびデモの自由」を正式に保障している。
劉氏は、2009年12月、「国家権力を転覆し、社会主義体制の転覆を扇動した」として、法廷で懲役11年の判決を受けたが、その判決前に作成された声明で、劉氏は、正義と民主主義という普遍的な理念への自らの信念について改めて述べていた。
同氏は、その声明で、「私は、これまでの自分の活動が正当なものであり、中国がいつか自由で民主的な国になると信じる。」と述べた。「我々の同胞は、恐怖から解放され、自由の光を浴びることとなるだろう。この方向へと進むために、今、私は代償を支払っているが、何も後悔するところはない。 独立した知識人が自由を求めて独裁的国家に立ち向かえば、しばしば刑務所に投獄されることは、ずっとわかっていたことである。しかし投獄は自由への一歩である。今、私はその道を選んだのである。真の自由は近づいている。」
2010年1月、ノーベル賞受賞者であるヴァーツラフ・ハベル氏、ダライ・ラマ氏、デズモンド・ツツ氏らなどの著名な個人からなるグループが、劉氏を同年のノーベル平和賞に推薦している。