(ニューヨーク)-国連総会で今月12日、国連人権理事会の理事国選挙が行われる。理事会入りを目指す16ヶ国のうち5ヶ国は、同理事会の人権専門家による訪問を長年にわたり拒絶している。12日の選挙では、地域ごとに割り当てられた理事国の空席14カ国分に関して理事国が選出される。
アルジェリア、中国、ロシアの3立候補国には、認めていない訪問要請が10以上あり、その中には10年以上さかのぼる2000年に行われた要請まである。サウジアラビアとベトナムには認めていない要請訪問がそれぞれ7件あり、うち1件は10年間放置されたままだ。立候補国の中で訪問要請を全て認めているのは、ウルグアイ政府だけだ。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのグローバル・アドボカシー局長ペギー・ヒックスは「理事会に指名された国連専門家に訪問を許さなかった政府は、多くの説明が必要だ。まるで、人を事務所に雇いながら、その後その人を事務所に入れないのと同じような行為だからだ」と指摘する。
人権理事会は51の専門家や専門家委員会に、人権に関する報告と助言を委任している。特定の国に対象を絞った専門家もあれば、拷問や表現の自由、健康権などのテーマ別の専門家もいる。各国に対する訪問調査は、国連専門家が人権理事会から与えられた職務の中核の活動である。
人権理事会入りを目指して立候補しておきながら訪問要請を放置している5ヶ国は全て、国連専門家の訪問をただちに認めなければならない。
その他、今年の人権理事会選挙に立候補しているのは、キューバ、フランス、マケドニア、モルディブ、メキシコ、モロッコ、ナミビア、南アフリカ、南スーダン、英国である。
全ての立候補国は、国連専門家による訪問に関する自国の経歴に照らし、今後どうするのか明確化すべきだ。国連加盟国は立候補国に対し、未だ実現していない全訪問要請に同意するよう働きかけなければならない。
人権理事会の理事国は、人権について「最高水準を維持すること」、および人権理事会を設立した国連総会決議60/251(人権理事会設置決議)のもとで、同理事会に「十分協力すること」を期待されている。今年11月5日には、世界中の40超のNGOが国連加盟国宛に、このコミットメントの重要性について記した書簡を送付している。
国連の人権専門家およびワーキンググループによる訪問要請を認めていない国の一覧はこちら:
https://www.hrw.org/sites/default/files/related_material/UNHRC_OutstandingRequests.pdf